概要
音響樽内の96個のスピーカを駆動するためのオーディオアンプは、小型、低消費電力、低ノイズであることに加え、ケーブル接続が煩雑にならないような仕組みが必要となります。そこで2本のMADI光ケーブルにより信号伝送可能な独自のオーディオアンプ基板を開発しました。

96個のスピーカを駆動するために96chのオーディオ用アンプを市販の製品で取り揃えようとすると、不都合がいろいろと生じます。例えば2chの市販のオーディオアンプを48台用いることを考えてみます。市販のオーディオアンプは2つのスピーカーで十分な音量がでる性能をもちますが、音響樽内のスピーカの一つ一つから生成される信号は非常に小さなものです。すなわち、市販のオーディオアンプの音響出力性能は音響樽に用いるためのアンプとしてはオーバースペックなのです。その上、サイズ、消費電力は大きく、また96chのDA変換器も必要になるため、全部合わせると大規模なシステムとなってしまい、音響樽よりも大きなスペースが必要となってしまいます。また、それらの音量調整のために一つ一つのアンプのボリュームつまみを回すのは大変なことです。
そこで消費電力の低減とサイズの小型化が可能なD級アンプを採用し、さらにMADI光ケーブルのディジーチェーン接続により、小型化、接続の簡易化、ディジタル制御による音量調整の自動化などを実現可能なディジタルアンプを開発しました。